不気味な行商人に導かれた阿鼻叫喚の蘇生。その顛末。

 愛する娘の死。
 その娘を取り戻すため、怪しげな行商人から預かった『ある品』を使う夫婦。
 その晩に起こった世にも恐ろしい蘇生劇。
 そして、最後に待ち受けている衝撃のラスト。

 目の前で起こる奇怪な出来事が、これでもかと言わんばかりに緻密に描写され、スプラッター系ホラーを思う存分堪能できます。

 人の体が壊れていく生々しい描写、何か思惑を持っていそうな不気味な行商人、三つだけ願いを叶えるという人間の胎児の剥製。その剥製によって蘇ったゾンビそのものの娘。
 それを目の当たりにした夫婦の心情や身体的な変化なども克明に描かれ、すぐに作品に惹き込まれます。
 三つの願いの使い方もとても上手かったです。

 ホラー作品が大好きな読者様にお薦めです。

 最後に、作品に敬意を表しまして、唱えさせていただきます。

――彼は生きたまま肝きもを抜かれた――
――彼は生きたまま肝きもを抜かれた――
――彼は生きたまま肝きもを抜かれた――

 とてもよいホラー作品でした。