運命と宿命、呪いと愛と。傷ついた魂を救うのは
- ★★★ Excellent!!!
世界設定は比較的複雑ですが、すんなり違和感なく受け入れる事が出来るわかりやすさで、数話でどのような世界観なのかが理解でき、その下敷きの上で進む物語を純粋に堪能する事ができるので、普段ファンタジーを読まない層でも、とっつきやすいと思います。
何百年も生きる種族であったり、姿を変える種族であったりで、種族ごとの行動パターンや考え方が、普通の人間の経験しかない読者としては、突飛に思えたり、信じられないように思えるものなのですが、彼らのような存在ならそう考えてしまうだろうな、という説得力があり、納得できます。
そのような人間とは違う考え方をもつ登場人物が、とても魅力的で、考えは理解しがたいけど、その気持ちがわかってしまう絶妙な心理が、物語をより深めている感じです。
恋愛要素が強いけれど、主人公の成長物語でもあり、その周囲の心も引っ張られて前に進んでいく様子も、物語の核として追わずにはいられません。
一人の主人公に、多数の愛が殺到する形になりますが、登場人物の人格が完成されているため、暗いドロドロな要素はなく、ただ甘さと切なさだけが胸に残る感じでしょうか。
ファンタジー好き、恋愛もの好きの双方を満足させる内容です。