第三怪 810尺様 その①
【810尺様】
数百年前からジャパリパークに封印されている身長が810尺もある鬼のようにデカイ人型の怪物
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今日は晴天の日、絶好のキャンプ日和だ。
セルリアンハンターのヒグマ、キンシコウ、リカオンの3人は森林ちほーにあるキャンプ場の芝生で狩ごっこをして楽しんでいた。
「逃しませんよ!ヒグマ野朗!」
「リカオンさん!挟み撃ちしましょう!」
「させるか!!ヒグマタックル!!」
「「ぐわああああああ!!!」」
ヒグマの全体重の乗った強烈なタックルはキンシコウとリカオンを軽々と吹き飛ばした。
2人が飛ばされた先には...
『グワシャアアアン!バキバキバキ!!』
「うわっ!ヤバイ!小屋をバキバキに破壊してしまった!いや...それは置いといて。キンシコウ!リカオン!大丈夫か!」
「ってて...ヒグマさんやり過ぎですって、フレンズじゃなきゃ死んでましたよ」
「いたた...良い一撃..でしたよ..悔いは無い...です..」
「何死に際みたいなこと言ってるんですか!ほら早く立ってください、キンシコウさん」
「2人ともごめん、つい熱が入ってしまって」
「いいですよ、セルリアンハンターはいつでも本気、ですからね」
「それよりこの小屋どうしましょうか、直すとかそういうレベルじゃなさそうです」
「弁償するしかないでしょう、リゾートバイトで貯めたお金で......。やっちまったもんは仕方ないです。行きましょう、謝りに」
「「そ、そうだな」」
3人は小屋の持ち主を探し始め、ようとしたその時だった。
『プロロロロロ!ズザザーッ!キキーッ!!』
3人の近くに1台のジープが停車した。
そこには見慣れたパークガイドの人間が乗っていた。
「みなさん早く逃げてください!810尺様が逃げ出しました!激ヤバです!」
帽子に赤と青の羽をつけたその人間は尋常じゃないくらい慌てた様子で話しかけてきた。
「ヤバいって何がだ?確かに小屋を壊したのはヤバいが...そんな慌てるほどのことじゃ...」
「ああ、あれなら後で弁償してもらうので大丈夫です。それより今はここから離れるのが第一、早く車に乗ってください!」
「わ、分かった。」
「はい」
「了解です」
弁償が確定してしまったがそんなことはどうでも良かった。(良くない)
ガイドの目がマジだったので、怖くなった3人は素直に車に乗り込んだ。
それからは15分ほど走り、探検隊が使っているベースキャンプに到着した。
ここに着くまでに何が起こったのか、810尺様とは何なのかを聞いた。
内容をまとめるとこうだった。
・810尺様はゼリー状の半透明
・休眠状態では30cm、活動状態に入ると体長が200メートルを超えて人型になる
・死なないし破壊もできない
・新しい研究所への移送中に810尺様が脱走
・職員とフレンズの目撃情報から森林ちほーにいることが判明
そして今、このベースキャンプで臨時の対策チームを結成、捕獲作戦を練っているとのことだった。
「でもここに私達が来る途中にそんな巨大なものは見当たりませんでしたよ。休眠状態で落ちてるんじゃ無いですか?」
「リカオンさん、残念ながらその可能性は低いです。森林ちほーのフレンズさんから聞いた話ですと昨日今日で建物が消える事件が多発していて...810尺様は建物を好んで捕食して巨大化のエネルギーにする習性があるので...」
「じゃあ、そのデカイのが急に現われるって訳ですか?キノコみたいに?」
キンシコウが驚いた表情で聞いた。
「その通りです。そしてそれがもしパークセントラルや発電所に向かって歩き始めたら...」
「本格的にパークの危機じゃないですか!」
「オーダーまずいですよ」
「810尺様を捕まえる手立てはあるのか?」
「分かりません、だから強力な助っ人の皆さんに来てもらってます」
そう言うとガイドはゆっくり後ろを振り向いた。その視線の先には迷彩柄の服を着た人達、いつもの探検隊のフレンズ、そして、背中に無数のトゲがあるパーカーを着た灰髪のフレンズの姿があった。
「私はシシノケだ、一緒に810尺様を倒そうじゃないか!」
怪談獣玉袋 てんてん @shirobuta_akys
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