概要
借金が返せなくなったぼくたちは、テキーラを飲んで湖に入ることにした
急に思いついて「なにこれ」と思いながら文章にし、どうしたらいいのかわからなかったので川に流すことにしました。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!突然の転調と、そこから始まる幻想的な風景
親に押し付けられた借金で首が回らなくなった『ぼく』が、杏子と一緒にテキーラを飲んで、そのまま石抱えて湖に沈んでいくお話。
とまあ、ここまで書くと完全に入水自殺のお話で、事実そのつもりで読んでいたのですけれど。よく見たら現代ファンタジーで、どうも現実の世界とはちょっと勝手が違うみたいです。
例えば5メートル級のウナギがいたり、あと入水しても酔っている間は窒息しなかったり。冒頭を抜けたあたりでの突然の転調、急に物語のリアリティラインが変わったように見えて、でも実は全然そんなことはない(ただそう錯覚させられていただけ)という不意打ちが面白かったです。入水自殺にしか見えなかった目の前の景色が、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!スペイン産のテキーラ
水の中でそんな喋ったら酸素欠乏で死んじゃうよ!てか水中でその意思疎通はもはやテレパス!しかも寝るんかい!諦めるな!と突っ込みどころは終始満載ですが矛盾しません。なぜなら「酔っ払いに不可能はない」からです。
このお話はスペイン産のテキーラによるミラクル効果の勢いだけで全てを乗り切ることを良しとしています。それがむちゃくちゃに良い!雑な言い方になってしまうけれど整合性とかリアリティなんてものはもうどうだっていい!この物語の最大の発明は「テキーラ」です。その効果が悲惨なバックボーンや「ぼく」の煮え切らない態度なんかを全部吹き飛ばしてエンタメとしての強度を保たせてる。すごい!MADMAX観た時み…続きを読む