後宮の女と、鳥籠の皇子の、自由を勝ち取るための逃走劇。

宮殿に閉じ込められるのは、『後宮』の女たちと『鳥籠』の皇子たち。
皇帝の妾として連れてこられた女達も、皇帝の血を引く王子たちも共通して言えるのは、そこに自由が無いこと。日々ドロドロした争いが繰り広げられる後宮で育ったカシワと、自由の無い場所で飼いならされていた皇子セリム。しかし、ある時カシワがセリムを誘拐して逃亡したため、宮殿は大騒ぎ。

後宮育ちの女が皇子を誘拐するなんて、もちろんあってはならない事です。では何故カシワは、セリムを攫ったか。それは二人で、自由を掴み取るため。
宮殿で窮屈な思いをしたまま、一生を終えるなんてまっぴら。迫り来る追っ手を切り抜けて、二人は自由を勝ち取ることができるのか?


後宮や国としての背景など、設定がしっかりと描かれていて、読み始めてすぐに、濃厚な物語の世界へと入り込むことができました。
昨今ゲームの要素を取り入れた異世界ファンタジーが流行っていますけど、本作はスキルもチート設定も存在しない、ハイファンタジー。
純粋な異世界ファンタジーが好きな方に、是非読んでもらいたいお話です。

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