幼い頃父が体験した、夏の日のミステリー。

中学生の大翔と、その父親の大輝。
ある日退屈していた大翔が父に、怪談話を聞かせてほしいとお願いしたところ、大輝は昔体験した出来事を語りはじめる。

当時の大輝は、受験を控えた中学生。
喧嘩が絶えない両親の元から離れたくて、夏休みに親戚のいる田舎に避難した彼は、その田舎で孤独死した人がいるという話を聞きます。
都会ならともかく、人間同士の繋がりが濃い田舎で孤独死?
不思議に思った大輝はそれを調べ、自由研究にしようと考える。
調べて分かってきたのは、奇妙で不可解な事。ただの興味本位のはずだったのに、この時の経験がその後の人生に大きな影響を及ぼすことになる……。

この話のメインとなるのは、父大輝が経験した過去の出来事。
ほとんどが中学生の大輝視点で描かれていますけど、時折現代パートに戻ってきて描かれる、大輝と大翔の親子の会話にはどこかほっこりさせられます。

はたして大輝は中学生の夏に、何を経験したのか。
そして息子の大翔に、何を伝えたいのか?
父が語る、夏の日のミステリーです。