“EM-2e5756-《メリダ=ティミス》が記す”
Ⅳ
親愛なる誰かへ――
まずは、この記録の続きを閲覧しようという気持ちを君が持ってくれた、ということに対して、感謝を。
結論から言うと、私の求めていた
ただしそれに少なからない日数と、労力(
さて、私が真っ先に頼りにしたのは、言うまでもなく氏のスーツから直接ダウンロードさせてもらったデータだった。
ところがこれが曲者で、当然といえば当然だが(氏と私とでは文字通り生きた時代が違うのだ)
それに見つかったのは良かったものの、ようやくコンタクトの取れたそのプログラムを所有していた《ベデック》の
ともかく、目的の物は手に入った。
いざ、ご開帳、とやってみると――《メイ・ヤー》!
それも、なんとか私の
私はそれらを
私にはそれが、《タツミ》氏が己の人生を燃やし尽くした痕跡に見えた。
昼夜問わず、一心不乱に設計図を引き、次にはそれとにらめっこしながら部材を作製し、それらをひとつひとつ然るべき順序で――
時には枯渇した
氏をそこまで駆り立てた情熱は一体何処から来たのか。
それを考えると、やはり私はこの建造物の“
元々この聖堂は一体何処の? 誰が? なんのために? そして、どういう想いで造り上げたものだったのか?
私は、まずそれを知らなければならない。
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