Ⅴ
私がダウンロードさせてもらった《タツミ》氏の
《るべさっと・8f》銀河は《とめなり・ちか》星系の第4惑星《パルメ》。
それが、《タツミ》氏の
私は
大気組成は《チキュー》と同じく、典型的な《ラスツーダ》型。活発な地殻活動があり、惑星表面には多様な地形が見られる。水が海洋や河川などのかたちで豊富に存在し、それが自然現象によって絶えず循環している。まさにわれわれ
《ヒト》はこの恵まれた環境の中で大いに繁栄し、
芸術活動も活発で――その美的感覚に彩られた建築様式の発達も目を
そこから生み出された建築物群の中に、《タツミ》氏が打ち建てた聖堂の“
ないんだ。
あれだけ壮大な建築物のことが、どこにも記録されていない。
類似するモティーフが使われた作はいくつか見つかるのだが、あの何基もの尖塔が連なる雄大な立ち姿だけは、《パルメ》の建築物について整理したアーカイヴのどこをひっくり返しても出てこない。
それに、そうこうしているうちに私はおかしなことにも気づいた。
技術発達が急激すぎる――急激というか、まるでどこか
――いや、植え替えた?
私は《パルメ》の概略史にいちから目を通してみる。
すると、私の疑問は一気に氷解することになった。
《パルメ》は《ヒト》の発祥の地ではなかった。
《ヒト》は宇宙の
生誕の地の名は《チキュー》。
《かかろくすと・7a》銀河《たいよー》星系第3惑星――《チキュー》。
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