夢の醍醐味。

これは僕の場合ですが……夢の中にいるときはほぼほぼ、現実ではあり得ないことが起きたとしても、違和感を覚えない。
自分の部屋にいたのに、急に学校にいたりとか。当たり前のように、犬と会話してたりとか。

この小説の主人公たちもそうで、夢の中で起きていることを、それが当然のように受け止めている。
けれどやはり、夢である以上は現実での生活というものがあるわけで、そこで形成された心や性格が、夢の中でも時折垣間見える。
摩訶不思議な世界観だけど、主人公たちだけは、めちゃくちゃ現実的なのだ。

そのギャップが、この小説の醍醐味だと思う。

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