凶暴な現実に足をつけ、歩く。

けた外れの美少女が主人公の現代ドラマ。
まずタイトルがかっこよすぎませんか!?
しかしね、内容もすごいんですよ。
文章表現はもちろんのこと、人物の設定にも奥行きがあり、読者を夢中にさせてくれます。

主人公はとてつもなく美しい容姿をしているのですが、それが彼女の幸せにはなっていない様子。
しかも、容姿のことのみならず、彼女の人生には苦しみが絶えません。
その過酷な日々は、読んでいる私たちの心も苦しくなってしまいそう。
だけども、彼女の行動に力強さを感じさせる場面もあります。
今はまだ苦しみに覆われているけれども、光り輝こうとしている人生がとても美しい作品と感じさせてくれます。

物語の途中で主人公は高校生から大学生となり、そこで友達ができます。
物語はその友達視点のシーンを交えつつ、人間という生き物の闇と、その闇だらけの中を生きる力強い光とをさらに深く描きます。

物語の中では苦しいことがたくさん起こるのに、読んだ後は前向きな気持ちがわき上がってくる……。
そんな希望の物語なのです。

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