最初、長いからちょっとずつ読もうと思ったのですが……。
第4話あたりでもう止まらなかったです。
キャッチコピーにあるセリフ、「時々母をメッタ刺しにしたい衝動にかられる。」というセリフがここに差し込まれます。
悪いことはしていない。けれど、メッタ刺しにしたい。
多分それは、「感謝しているけど尊敬は出来ない」母娘あるあるだと思う。
そこに至る経緯と障害はきっとこれから自分が歩む道でぶち当たるだろうし同情するけど、母親のような人生は歩みたくない。母親を見て希望が持てない。
だけど、いちばん身近に見続ける将来像が、不幸にも母親なのです。
主人公はすごく美人なんだけど、人より優れているというのは同時に人に相談できない・共感されない障害にぶち当たるんだろう。
逆に、主人公には「美人ではない」人の苦悩に寄り添うことは出来ない。
その辺に、すごく溝を感じます。
その溝を抱えて、「めでたしめでたし」は迎えられるのだろうか。
ハラハラしながら最後まで読み終えて、ああよかった、と思えました。
きっとこれからも主人公と友人は苦しむのだろうけど、不幸ばかりではないのでしょう。
けた外れの美少女が主人公の現代ドラマ。
まずタイトルがかっこよすぎませんか!?
しかしね、内容もすごいんですよ。
文章表現はもちろんのこと、人物の設定にも奥行きがあり、読者を夢中にさせてくれます。
主人公はとてつもなく美しい容姿をしているのですが、それが彼女の幸せにはなっていない様子。
しかも、容姿のことのみならず、彼女の人生には苦しみが絶えません。
その過酷な日々は、読んでいる私たちの心も苦しくなってしまいそう。
だけども、彼女の行動に力強さを感じさせる場面もあります。
今はまだ苦しみに覆われているけれども、光り輝こうとしている人生がとても美しい作品と感じさせてくれます。
物語の途中で主人公は高校生から大学生となり、そこで友達ができます。
物語はその友達視点のシーンを交えつつ、人間という生き物の闇と、その闇だらけの中を生きる力強い光とをさらに深く描きます。
物語の中では苦しいことがたくさん起こるのに、読んだ後は前向きな気持ちがわき上がってくる……。
そんな希望の物語なのです。