これこそが小説だと思った。

最初、長いからちょっとずつ読もうと思ったのですが……。

第4話あたりでもう止まらなかったです。
キャッチコピーにあるセリフ、「時々母をメッタ刺しにしたい衝動にかられる。」というセリフがここに差し込まれます。
悪いことはしていない。けれど、メッタ刺しにしたい。

多分それは、「感謝しているけど尊敬は出来ない」母娘あるあるだと思う。
そこに至る経緯と障害はきっとこれから自分が歩む道でぶち当たるだろうし同情するけど、母親のような人生は歩みたくない。母親を見て希望が持てない。

だけど、いちばん身近に見続ける将来像が、不幸にも母親なのです。

主人公はすごく美人なんだけど、人より優れているというのは同時に人に相談できない・共感されない障害にぶち当たるんだろう。
逆に、主人公には「美人ではない」人の苦悩に寄り添うことは出来ない。
その辺に、すごく溝を感じます。

その溝を抱えて、「めでたしめでたし」は迎えられるのだろうか。
ハラハラしながら最後まで読み終えて、ああよかった、と思えました。

きっとこれからも主人公と友人は苦しむのだろうけど、不幸ばかりではないのでしょう。

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