異(種)世界転生。チートではない「強さ」を手に入れる物語。

この作品は、あえて「世間が好みそうな」要素を外している(と思う)。

だからこそこの作品は、「普遍性」を獲得している。老若男女が問題なく読める作品。世界名作劇場的な格がある。一見派手さはないようにも思えるが、それゆえに最高に挑戦的な作品とも言える。

チートもハーレムも(そもそもヒロインも)ないが、物語を通して厨二的な雰囲気も全くなく、ひたすら実直に異世界を生き抜いていく二人。まったくスカしたところのない素直な主人公と、言葉の通じないトカゲのコンビは、とてもとても素晴らしい。

そう思わせるのは、この作品の確かな小説としての力。細かな感情推移に、納得の表現たち。

ギャグにもシリアスにも傾くことなく、必死で瞬間瞬間を生き抜く姿は、たまらなく「ポジティブ」である。



映画化望む🐸

蛙の国より。


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