小さな魔女の最後の魔法、あなたのこころにも、幸せの魔法が届きますように

 7話からなる、オムニバス形式の現代ドラマである。
 1話ごとに、せつなさを感じる主題があるが、それぞれのラストは、少しだけ気持ちが暖かくなる。そして、話が進むごとに、その各話の関係が繋がっていく。

 1話の、コウタロウが茶々丸になる理由から始まり。そこには、哀しみの向こうに小さな幸せが残される……のが、後の話で明かされる。

 1話の哀しみのお別れで、読むことで泣いた読者は離れてしまったようだが、その次、そして、さらに次のお話へと進んでみてほしい。

 決して、コウタロウの存在が無駄なモノではなかったことが、解ると思う。

 この物語を通しての主人公は、その生涯を賭して、幸せの魔法を行使していたのだろう。それは、この主人公ひとりの魔法ではなく、この主人公の周りの人たちの優しさも、ひとつの要素だったのかもしれない。

 わたしは、このせつなさが、とても素敵な物語だと思ったが、皆さまには、どう映るだろうか……?