さらしものに花束を

引きこもりになってしまった主人公と、家庭教師の物語。

主人公を励ます先生の言葉に、
「だめだよ、こんなカタツムリみたいな人間は誰も相手してくれない」
と返す。
先生は「僕もカタツムリだった」と零す。

この『カタツムリ』が非常に素晴らしい暗喩になっていて素敵だと思いました。
ストーリー上では明言されていない部分もありますが、カタツムリの特性は二人の性質とピタッと合わさっています。

読み始めは家庭教師とのBLを想像させられましたが、突如としてその甘い妄想は砕かれます。
後味は決して良くありませんが、それこそがこういったたぐいの小説の醍醐味だと思います。無理矢理適当なハッピーエンドにされるよ…続きを読む

僕は、クラスに馴染めず不登校。

そんな僕に、母が家庭教師を見つけてくれた。



カタツムリの表現がうまいです。


意外な展開。
ダークです。

ラストの余韻がなんとも言えず、いいです。

ネタバレするのが嫌なので内容は書けませんが、
誰かにとっての真実は他の誰かにとっての真実とは一致しないのだとこのお話で感じました

個人的に主人公が自分を「カタツムリ」と称するのが印象的です
とても素晴らしい話をありがとうございます

感涙

ニュースで流れる死刑執行。
死刑囚は僕の中学時代の家庭教師だった。
中学時代、一時期ひきこもりをしていた僕。
美しすぎる家庭教師の先生が勉強を教えてくれた。
先生はかつて、女装をしてデパートで化粧品を売っていた。

僕の未来はどんなことになったのか。
想像しながら読むのもオツなものです。
はじめと終わりは未来からの視点で描かれますよ。

自主企画『【第2回】三つのキーワードで小説を書いてみませんか【「金貨」、「カタツムリ」、「星」】』参加作品。

あらすじにもある通り重い話なのはご注意ください。

静かに淡々と書かれているのに、どこか荒々しくも感じる文体にとても惹き込まれていきました。
少しだけ、惹き込まれることに怖くもあります。

誰かの恩人は、誰かにとっては忌まわしい存在。
その葛藤を抱えた主人公の心情に胸を打たれました。