神々の慰め  (+あとがき)



 ここはいつかの、どこかの、とある会議室。


 その会議室では、大人気となったゲームのメディアミックスについての会議、今回は特に、アニメ化に向けた会議が行われていた。


「……では、基本はゲームのストーリーを踏襲して、レベルアップやステータスなどのゲーム要素については特にアニメでは言及しない方向で、シナリオライターさんにはそう伝えましょう」


「あ、ゲームの制作陣のみなさんから、アニメについては絶対にお願いしたいことがあるという希望を預かってるんですけど……」


「何です?」


「どうも、あるキャラクターをほんの少しだけでもいいから、どうしても登場させてほしいらしいんですよね」


「あるキャラクター、ですか……?」


 ゲームの制作陣は激務だ。考えられないくらいのブラックさで激務だった。


 そんな彼らを支え、助け続けた存在がいた。


 彼らは、その存在をどうしてもアニメに出したいと願った。


 デバッグ用疑似プレーヤーAI-Noエーアイ ナンバー.シリーズ。


 000000001から始まったAI-No.シリーズは既に7ケタの終わりを迎え、8ケタに突入しようとしていた。


 地獄のデバッグ作業をサポートしてくれる、最高の友にして、かけがえのない戦友。


 このゲームを生み出した神とも呼べる制作陣はみな、デバッグ用疑似プレーヤーAIナンバーシリーズに本気で感謝していた。


 机の下で寝袋に入って仮眠をとっているときも。


 やけくそでコーヒーショップに行って大量のコーヒーを買い込んだ時も。


 それは本当に大丈夫なのかという分量のエナドリをキメた時も。


 いつも彼らを一番近くで支えてくれていたのだ。


 彼らはそんな戦友を番号などで呼ばなかった。


 彼らはその戦友、デバッグ用疑似プレーヤーAI-No.シリーズをこう呼んでいた。






 ………………AINアイン、と。








































―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


※後書き失礼いたします。


 拙作『アインの伝説 ~気づいた時にはもう遅い? 転生したら滅んだ村の生き残りで、勇者の幼なじみなのになかなか名前を思い出してもらえないという極めつけの脇役だったんだけどさ、どうしたらいいと思う?~』を最後の最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。


 以前、『小説家になろう』で公開していた時にこの最終回を迎えてたくさんの方々にお祝いの感想を頂いたことを懐かしく思い出しております。


 この最終話によってアインがタイトルにある意味不明な極めつけの脇役というアニメキャラだった理由(アインのジョブの特殊性も含め)まで語り終えることができたので、私としてはこの物語の全ての伏線を回収できたと考えています。




 この作品は私、相生蒼尉の代表作であり、幸運にも、『小説家になろう』で開催されていた第2回「新人発掘コンテスト」において佳作を頂くことができました。

 私にとっては初めて大きく認められた作品でもあります。


 書き始めたきっかけはちょっとした現実逃避だったのですが、それがここまでの長編になるとは書いた本人である私も考えていませんでした。

 また、たくさんの方に読んで頂き、結果として、佳作を頂くことになるとは望外の喜びでした。




 カクヨムでの活動はこの2023年6月から本格化させたばかりなので今後も、私、相生蒼尉の作品に目を通して頂けたら幸いです。


 書籍化やコミカライズを夢見て、ネット小説を書いてはおりますものの、残念ながらそれを実現することができずに、今のところ佳作止まりではありますけれど、今後も書籍化やコミカライズを目指して活動は続けたいと考えております。


 もし、よろしかったら、他の拙作も読んで頂けたら嬉しいです。






『フォレスター子爵夫人の成り上がり ~高位貴族というのはとても面倒なので本当は関わりたくありませんけれど、お金がもらえるのなら仕方がありません。精一杯努力することに致しますわ~』

https://kakuyomu.jp/works/16817330659799867509


 こちらの作品も、『小説家になろう』ではそれなりに高い評価を受けております。

 子爵夫人となったエカテリーナがドロドロとした高位貴族の理不尽な権力を使って無双するお話です。




『かわいい女神と異世界転生なんて考えてもみなかった。』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893673457


 この作品は私、相生蒼尉のネット小説デビュー作となります。カクヨムでの公開は復活更新となっております。『アインの伝説』並みに長い物語となっておりますが、長編好きな方には喜んでもらえる長さだと思います。よろしくお願いします。




『RDW+RTA ~リアルダンジョンズワールド プラス リアルタイムアタック~』

https://kakuyomu.jp/my/works/16817330655674198261


 こちらは現在、連載中の作品となります(完結となっていますが、続きはあります)。

 この話、リアリアのスタートとなる第1章と第2章にあたる部分がこれです。現在は、第3章『RDW+RTA +SDTG(T―SIM) ~鈴木の育てゲー(育成シミュレーション)~』も完結し、第4章となる『RDW+RTA +KAG(M―SIM) ~鈴木の経営ゲー(マネジメントシミュレーション)~』が連載中です。


 どうか、相生作品をよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アインの伝説 ~気づいた時にはもう遅い? 転生したら滅んだ村の生き残りで、勇者の幼なじみなのになかなか名前を思い出してもらえないという極めつけの脇役だったんだけどさ、どうしたらいいと思う?~ 相生蒼尉 @1411430

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ