もの悲しくも、美しい一篇

かつて、東京には空が無いと云った詩人がいましたが、それと似たような印象を、この一篇から受けました。
この一篇では、ヒグラシが空に代わるモチーフとして扱われ、「私」と「彼女」が、東京と北国に、遠く、遠く離れていることを象徴します。

短い一篇ですが、それでこその切れ味があり、美しさが心に残ります。