3を見たら、あなたは彼方へと連れさらわれる。
「よし、ル○バだ! A○e○a、ル○バを呼んできて!」
「伏字多っ!」
A○e○aを通して、我が家のお掃除ロボットが玄関から飛び出してきた!
黒光する円盤型お掃除ロボットは、プオンプオンという音をしながらやって来る。
「え、っていうかル○バで大丈夫!? スピード的に!」
「大丈夫、このル○バなぜか時速120キロは走れるみたいなの!」
私のはA○az○nで買ったんだけどね!
「そんな道路交通法にバリバリ引っかかりそうなの家に放って大丈夫なの!?」
男の子が絶叫するが、大丈夫よ! 多分。ただちょっとすごい勢いでお父さんの弁慶の泣き所にぶつかる程度だから!
さあ、ル○バ! あなたの日々執拗いほどゴミを追いかける脚(?)力で、サンダルを捕まえて!
しかし、ル○バがサンダルを追いかけることはなかった。
なぜなら……あれだけ必死にダッシュしていたサンダルが、なんと自分の意思でこちらに向かってきたからだ!
サンダルは、スピードを落として、ル○バのところへやって来る。
暫く、ル○バとサンダルは互いに向き合い、そして……そっと、サンダルの爪先がル○バの円周りの部分にぶつかった。
ボクタチ……。
トモダチ……。
そんな声が聴こえた気がするが、彼ら(?)には口がないので、幻聴だろう。
けれど、言葉がない世界でーー彼らは確かに、無機質とは思えない「あたたかな」ものを持って接していた。
サンダルはル○バの上に乗って、丁寧に足(?)を揃える。
するとル○バは、プヨンプヨンプヨン、機械音を鳴らし、ゆっくりと浮上した。
夕闇迫る空には、沈む太陽を追いかけるように大きな月が昇ってくる。
その月に吸い込まれるように、一足のサンダルと一台のル○バは、空へと、いや、
呆然と見上げる私に、我に返るのが早かった男の子が、いつの間にそこにいたのだろう、自分家のーー向かいの家のベランダから首を出していた。
「お姉さん! 上から道路を見てよ!」
そう言われて、私は自分の家に戻り、二階の部屋の窓から道路を見る。
「こ、これはッ……!」
あのサンダルは、ただでたらめに走っていたのではない。
サンダルが通ったであろう場所は、その足跡によって、ーー不思議な文様を描いていたのだ。
「ミステリー……サークルだッ……!」
今になって思う。
あのサンダルは、宇宙からやって来て迷子になった
だから、ひたすらミステリーサークルを作るためにダッシュし続け、宇宙にいる仲間に助けを呼んでいたのではないか。
そして探しに来た、私の家のル○バに会ったことで、ようやく彼らは家に帰ることが出来たのだ。
……きっとね。
〜Happy End〜
サンダルでダッシュ!ー1字違って大間違いー 肥前ロンズ @misora2222
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます