不幸を背負った主人公、香子。そして雄大なオーストラリアの自然。僕たちは彼女とは違う形の不幸を背負って、オーストラリアではない場所で乗り越えている。それでも香子と同じように心が和らぐ瞬間や新たな決意を抱く瞬間は美しく描写される。
読後に爽やかな清涼感。良い短編です。
二人で来るはずだった遠方の地で、主人公は一人、満点の星を見上げる。近くには家族も友達もいない。ただ一人、星を眺めて疲れた心を癒している。抱えた問題は何も解決していないけれど、「今、人生の転機かもな」と彼女は溢す。まだ見えない未来が確実に変わっていく瞬間を、彼女の心情を通して見たような気がしました。*セリフは少し変えています。
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