美しく儚げな世界観の中、リアリティのあるキャラクター達が織り成す人間劇。
そこから生まれる暗い感情や醜い心たち。
様々な要素が混じり合い、やがて一つ終わりに辿り着く。
そのゴール地点で待ち構えているのが、物語の主人公にして大きな闇を抱えている青年です。
彼は隠されてた匣(はこ)を開く。
それは客人の為であり、己の悲願の為であり、そして物語を終わらせる為でもある。
読みやすい文体、精密に織り成されたストーリー、そして現実に生きているかのような登場人物たちの葛藤。
正統派で実力のある作者が描写する世界は圧巻です。
つい先を読みたくなってしまう魅力に溢れた作品でした。
この作品は章ごとの表のシナリオとともに、背景でも別のお話が進む構成を使われて書かれていて、
メッセージ性のある表シナリオ、ミステリー系として考察ができる構成となっている裏のシナリオ、二つの側面で楽しめる内容となっています。
この作品の工夫点に感じる部分は主要人物が中心の物語ではなく、『救いが必要な人』との関わりの中で、断片的に裏のシナリオの全貌が見えてくるといった表現や、
タイトルテーマにある『匣』を聞き馴染みのある『箱』と照らし合わせて、異能を作ってあり、コンセプトとしても面白いと思いました。
『学校の噂』『林の奥の住人』『記憶や感情を代償にした取引』といった要素を含んだ作品ですので、興味が沸いた方は是非ご一読ください。
2つのシナリオをじっくり読むために私は2週ほど読ませていただきました、複雑な物語の動線ながら、一気に全てが繋がる感じは『おお~』っとなったので、
私の評価は星3で入れさせていただきました♪
作品に応援いただいたご縁でこの物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
人が心にしまっている「匣」に関連する物語。その中心にいるのは一人の男と一人の妖。彼らは失った記憶を取り戻す、という目的のために、今日も感情によって蓋をされてしまった依頼人の「匣」を開けていきます。
開いた「匣」によって、依頼人の今後が変わります。それは良くも、そして悪くも……。
基本的に一話完結型の物語構成をしているため、とても読みやすい作品です。その中で巻き起こる騒動も、ちょっとした気持ちのすれ違いや、いじめ。妬む心といった誰もが持ったことのあるような感情からくるお話ばかりで、しかも基本的には因果応報の結末。読んでいてスカッとすることもありました。
これからは「匣」を開けている彼らへと焦点が当たってくる展開になりそうで、それは物語の根幹に触れる部分となります。今後も目が離せません。
他の皆さまも是非読んでみてください。