本当に恐ろしいモノは隠されている

美しく儚げな世界観の中、リアリティのあるキャラクター達が織り成す人間劇。
そこから生まれる暗い感情や醜い心たち。
様々な要素が混じり合い、やがて一つ終わりに辿り着く。
そのゴール地点で待ち構えているのが、物語の主人公にして大きな闇を抱えている青年です。

彼は隠されてた匣(はこ)を開く。
それは客人の為であり、己の悲願の為であり、そして物語を終わらせる為でもある。

読みやすい文体、精密に織り成されたストーリー、そして現実に生きているかのような登場人物たちの葛藤。
正統派で実力のある作者が描写する世界は圧巻です。

つい先を読みたくなってしまう魅力に溢れた作品でした。

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