新しいなろう系小説

いわゆる「なろう系」と言われるテンプレ作品群がありますが、この作品は「なろう系になぞらえた音楽ファンタジー小説」です。
新しい試みが心地よく、昔からのお約束が分かりやすく、そして何より「面白い」が詰まった作品でした。

音楽を「音が苦」として忌避し、演奏家を「楽奴」として蔑む世界。
そこに現れた「ギターヒーロー」の活躍は胸がすく想いで、とてもワクワクします。


特徴的な点としては、作者が一番楽しんで書いている点でしょうか。
この先の展開はどうしたら面白くなるか、こうなったら面白いんじゃないか。
そういった試行錯誤の後が読んで取れます。

書きたい気持ちが溢れていて所々雑になっている感もありましたが、それを考慮しても「ワクワク感」が伝わってくる良い作品。
「読ませたい」という気持ちを優先できればもっと良い作品になるように思います。


まだ粗削りな部分もあり、執筆するうえでのお約束的な事も守れていない個所は多々あります。
しかしそんな些細な事など気にならない。早く続きを読みたいと、そう思わせてくれる良作です。

快適な読み心地なので拝読も苦ではありませんでしたし、未読の方は是非読んでみる事をお勧めします。

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