冬のジュブナイル

光輝が子供時代に出会ったのは、雪の妖精のようなちょっとおませな少女……。
物語は過去の追憶から始まります。
そして、現在。

父になった光輝は、息子を連れて武蔵野公園へ遊びに行きます。
雪投げをしてはしゃぐ二人の描写が自然で、読んでいて気持ちが柔らかくなります。
男同士の親子の関係って、すぐに競ったりお母さんを大事に思ってたりずっと少年のままみたい。

帰る時間になったとき、息子が父にあることを話し出します。

それからの展開に触れたとき、父と息子のデジャヴが絡み合い、記憶の時計の針が反対に動き出しました。
SFミステリーにも似た、爽やかでいて懐かしい僕らのあの日。

武蔵野の森にまぎれ込めば皆、ちょっと不思議な体験に出合えるのかもしれません。

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