雪を溶く熱

途中まで切ないラブストーリーなのかと思いきや「そうきましたかー！」と思わず口に出してしまいました。
この短い短編の中に喜怒哀楽が詰め込まれています。
ちょっと元気がない人もくすっとなれるに違いない、そんなお話です。

自主企画『雪を溶く熱』、
「しんしんと降る雪の晩。美冬の元に突然、疎遠になっていた幼馴染、秋人が訪れた。秋人は地元を離れることを告げると、立ち去った。翌朝、美冬は離れた所で秋人の旅立ちを見送る。」という大まかなプロットの元、書かれた作品。

口から出た本心は、棘を持ち、受け止めた人の心をそっと傷つける。
しかし、言葉だけではありません。その人にとって、大切なものは人それぞれですから。
秋人にとっての、美冬にとっての大切なことが何なのか。
それがこの文章にコンパクトにまとまっています。

あなたはどちら側につきますか？
僕は断然、美冬派につきます。
朝起きた後の、あの得も言われぬ喪失感。胸が締…続きを読む

　夢を掴んだ幼なじみ。かつて酷いことをいってしまった自分。しんみりしっとり進行する物語。しかし後半、思いがけない事実が判明します。それはすべてを凌駕しました。なにが？　と思った方は、ぜひご自分の目でお確かめください。

自分の夢を追う若き二人の想いを、端的に描いた物語のようですね。
短編であるところにも良さを感じますが、これを題材に長編への手を加えた時どんな物語が生まれるのかが楽しみです。
この後の展開を期待したですね。

食べ物の恨みは、恐ろしい！
プリンはどこに！
一発……あとは読んでみてね。

なんで、あんなこと言っちゃったんだろう。
かつて自分がぶつけた酷い言葉。疎遠になっていた幼馴染みとの再開は、そんな苦い記憶を思い出させました。

後悔からくる微妙な距離感にドキドキしながら、二人の想いがどんな形で決着をつけるのか、見守らずにはいられませんでした。それがまさか、あんなことになるなんて……

コメントなどの前情報を一切持たずに、真っ白な気持ちで読むことをお勧めします。

親しい仲にも礼儀あり。
いくら気心が知れた仲とはいえ、ふとした言葉や行動で、相手を傷つけてしまったり、怒られてしまうことがある。そんな教訓のお話。

切ない感動もののお話かと思いきや……。
仲の良かった幼馴染に起きたある出来事が衝撃的で、物語の最初と最後で印象が大きく変わりました。
語彙力が無くて申し訳ないですが、一言で表すと……凄いお話です！