俺は働かない。宇宙の果てが尽きるまで I won't work. Until the end of the universe

作者 ダイスケ

怠惰を求めて勤勉に行き着く

  • ★★★ Excellent!!!

何が何でも働きたくない……そんな誰もが共感できる思いを胸に抱くのが本作の主人公だが、この男はちょっと気合の入り方が違う。

最初は叔父から相続したマンションの経営に運よく成功して、無事に会社を辞めて悠々自適な生活を送っていたのですが、そんな彼を待ち受けていたのが超々高齢化社会! 科学の進歩で日本人の平均年齢は98歳に! おかげで年金は破綻し老人だって死ぬまで働かなければいけない時代だが、頼みの綱のマンションは老朽化で資産価値はほぼゼロ。半世紀働いていなかった男もついに働くしか道はないのか……! と思いきやここからがすごい、自給自足のスローライフ、コールドスリープ、深宇宙への植民事業……とあらゆる手段を使って労働の義務から逃れていく! この労働を回避するための手段がどんどんインフレしていくのが非常に痛快。

……そこまでするぐらいなら素直に働いた方がいいんじゃないのかと思わなくもないのだが、そう感じてしまうのは働かないことに向いてないということなのだろう。働かずに生きるためには本来これぐらいの気合と覚悟が求められるのだ……多分。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)

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