「八月に限る」と決めた交際の行方は。

高校一年生の陽輝は、七つ年上の従姉・朱里のことが好き。しかし、彼女には結婚を決めた相手がいた。
それでも初恋を諦めたくない陽輝は、朱里に「八月限りの交際」を申し込む。
「必ず俺のほうがいいって思わせる」と意気込む陽輝は、朱里を振り向かせることができるのか――。

陽輝が住む広島市と、朱里が住む北広島町を舞台にして、ひと夏の物語は進んでいきます。
朱里の心を変えたい陽輝と、自分の結婚を陽輝にも祝福してほしい朱里。八月の間に限定されたお付き合いをするうちに、陽輝は今までに挑戦したことがないさまざまな壁にぶつかり、新しい経験を積んでいきます。

好きな人に尽くしたくて始めたアルバイト、初めて知った仕事の責任、朱里の家の大人たちの手伝いに、幼い頃にはできなかったキャンプ……満天の星空のような思い出が、キラキラと煌めく夏の終わりまでに、二人の気持ちがそれぞれどんな場所にたどり着いたのか。ぜひ、夏の間に成長していった陽輝と一緒に、この夏の先にまだまだ続いている季節へ飛び込んでみてください。ほろ苦くも爽やかな読み心地のヒューマンドラマでした。