「こりゃあ〝異世界〟だ」と言いたくなるような小説

まず文章全体に漂う『和』な雰囲気に浮いてる『西洋』な主人公が「たまらない」と感じましたね。このチグハグさ、小説全体で見れば言葉は非常に少ないものの「必要な分だけ置いている」と感じる文字の置き方や、ルビや言い回しなどで整えてある文体は読んでいて脱帽物です。

構築された世界は独特な雰囲気を残しながらも、あっさりと読みながら受け入れる事が出来る不思議な世界観になってます。

ストーリーに触れるとユエの過去、そして右目ことリール―の正体、「黒犬」や呪い師に依頼を頼む人々……全体的に仄暗さが漂いますが、それだけではなく夜に浮かぶ灯りのような温かさもしっかりと残しています。鏡の前での台詞が丁度いい塩梅でやってくるので、そこでじんわりとしたものを感じる人も居そうです。

ひとこと紹介にも書きましたが見た感想としては「こりゃ異世界だ」です。
また違ったファンタジーとしての形や新しい世界にワクワクしたい方にはお勧めできる作品だと思います。
うーん、これが15000字くらいしかないって事にビックリ。(続編もありますが)

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