輝ける闇の結晶のような

亜熱帯の国の近世を思わせる舞台を、駆け、踊る、魅力的なキャラクター。読者の目を射る、鮮やかな光と闇、鋭い痛み、底知れない悪意と慈愛、孤独と友愛、そして世界への畏れ。物語の内容について、わたしがくどくどと解説すべきことは、何もありません。ご一読ください。ただ、文章の疾走感に惑わされすぎず、噛みしめながら読み進めることをおすすめしたいです。一文、一語にこれだけ多くの意味を託しつつ、ここまで無駄のない文章を書くことは、相当な手練れの書き手でも容易なことではないと、きっとあなたも舌を巻くことでしょう。

その他のおすすめレビュー

猫村まぬるさんの他のおすすめレビュー212