それは狂気か否か
- ★★★ Excellent!!!
パンデミックの死亡者は数字で語られることがある。どれぐらいの被害なのか、そしてどれぐらい被害を抑えられているかの指針として。多くの人にとってはただの数字だが、そのうちの一つが自分の愛する誰かだった場合、どう感じるのだろう。
愛する人を失い、そして自分が特別な存在と気づく。その時、男が取った行動は端から見れば狂気だ。でももし当事者だったとしたら。
この男と同じ行動をとらないとは限らない。
ハードボイルドテイストで、スイスイと読めてしまうが、テーマは重厚。現在進行形であるからこそ、より重くのしかかる作品。