餃子を食べられる距離に行きたいから

2020年の夏は、みんなが去年思い描いていたものとはまるで違うものになってしまった。
本当ならオリンピックが始まるために街は活気づき、電車は満員、都内は大混雑、ひとびとがあふれ騒がしいものになっているはずだった。
それなのに、ステイホーム。
この『2020夏物語』でもコロナを扱ったものが多いようで、がっくりする。架空のコロナがない2020年でもいいんじゃないかなぁ――?

ところがこの作品はコロナのある2020年を逆手にとって、ソーシャルディスタンス、ステイホームをキーワードに一組の男女が親密になっていく様子を描いている。

コロナなのに?
コロナだから?

この辺はぜひ読んでみてほしいところだ。
コロナだって、それを上手く利用してしあわせをGETすることができるのだ。マジック!

「餃子」とソーシャルディスタンスを用いた恋愛攻防戦を楽しんでほしい。

こういう現実の2020夏なら大歓迎だ。

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