このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(241文字)
彼の護衛のために命を捧げた主人公。その最期の姿を見届けてください。
2000字ちょっとの短編。ですがぎゅっと詰まった優しさと切なさに心温まります。全振りで感動系や良い話系にまとめているわけでもなく、表現難しいんですが、物語のバランス感覚が絶妙だと思いました。とてもおすすめ。いろんな方に読んでみてもらいたいです。
ぼくは生まれながらの護衛、そういう家系なのだ。高校生になったけれど、護衛のために死んでしまいます。死んでも気になって成仏せず、幽霊になって見守っています。死神には魂が劣化するから早く成仏してくれとせがまれる。死神はサービス業ですな。
権力者のご子息を守って死んだ僕。たくさんの時間を共にすごした彼は、僕が死んだことを引きずっていた。「何度もいってるよね。君みたいな一般霊が長く現世にとどまるのは危険なの」成仏しなさいと死神に何度言われても、死んだ後も護衛しようとした僕。だけど、だんだん自分の意識がなくなってきて…生きていくことは、変化していくこと。そんな物語です。