[前衛]グラップラー ~ 持ち味をイカせッッッ
■■■ 概要 ■■■
地上最強を目指して何が悪い!!!人として生まれ男として生まれたからには誰だって一度は地上最強を志すッ!!!
少年漫画好きなら武装した屈強な相手を徒手空拳で薙ぎ倒す格闘家に心躍った経験は一度や二度では無いでしょう。
鍛え上げた己の肉体こそ最強の武具。剣にも銃にも負けはしない。巨大な魔物だって投げ飛ばす。そんな非現実的な話も、非現実的なファンタジー世界なら本当に叶えられてしまうんです。そう、ソード・ワールド2.5ならね。
■■■ グラップラーの特徴 ■■■
ファイターと同じくレベルアップに必要な経験点テーブルAの前衛戦士技能です。
前線に立って敵と殴り合うという、役割としてはファイター・フェンサーと同じですが、方向性が大きく異なる部分がいくつかあります。
・Lv1から自動取得する戦闘特技の《追加攻撃》で最初から複数回攻撃が可能
・使用武器の関係から命中を稼ぎやすい
・唯一投げ攻撃が可能
・「グラップラー装備可能」「グラップラー専用」の武具しか装備できない
・投擲攻撃ができない
総じて、ファイターより軽装寄り、手数寄りのビルドになりやすい技能です。対複数への攻撃もビルド次第では可能ですが、基本的には単体の敵相手に強烈な物理火力を発揮するアタッカー寄りの気質が強い技能です。
■■■ グラップラーの長所 ■■■
▼Lv1から自動取得する戦闘特技の《追加攻撃》で最初から複数回攻撃が可能
グラップラーといえば何と言ってもコレ。Lv1の時点から戦闘特技枠を消費することなく複数回攻撃が可能です。
ファイター・フェンサーで複数回攻撃をしたいのであれば《両手利き》で一枠使うことが必須で、更にLv5以降に取得できる《二刀流》でもう一枠消費するまでには命中-2のペナルティを受けることになりますが、グラップラーは最初からそのようなデメリットの無いまま二回攻撃が可能です。
更に、グラップラーで《両手利き》を取得すると、《二刀流》が無い内は当然命中ペナルティ-2を受けますが、なんと一回の手番で三回攻撃が可能です。《追加攻撃》分の攻撃には《両手利き》の命中-2ペナルティは発生しないので、ひとまず一発だけは当てやすいのも利点です。
また、Lv13で自動取得する《バトルマスター》で「1回の近接攻撃」に効果を発揮する戦闘特技を複数回宣言し、攻撃+追加攻撃にそれぞれ載せる、という使い方もできるため、《バトルマスター》を活かしやすい技能とも言えるでしょう。
《二刀流》ファイター・フェンサーと異なり、武器を複数本用意する必要が無い点もお財布に優しい。
▼使用武器の関係から命中を稼ぎやすい
グラップラー専用の格闘武器は、ファイターの武器よりも命中面で優れており、特にパンチを強化する手甲武器の多くが命中+1・C値⑪となっています。バランスでいえばメイスよりも優秀と言えるでしょう。ただしパンチ武器自体は威力が高い訳ではないので、先述の《追加攻撃》と併せて手数でダメージを与えていくのが主な戦法になります。
パンチの一方で、キックを強化する足甲は命中補正が-1である代わりに、同じ重さの両手武器と同じ威力に設定されています。命中が十分に確保できるのであれば、キックで攻撃したほうが威力は伸びるでしょう。ただし、キック攻撃は《両手利き》で攻撃回数を増やすことはできません。
▼唯一投げ攻撃が可能
SW2.0の時代では、投げ攻撃は宣言特技であったため、ダメージ上昇系特技と組み合わせるにはLv13で《バトルマスター》を習得してからようやくであったため、最序盤以外ではあまり人気がありませんでした。
しかし、2.5になって投げ攻撃は「グラップラー専用武器」扱いとなり、使うために宣言を行わずともよくなったために大幅に強化されています。
投げ攻撃は《投げ強化》が無ければ複数部位の魔物を対象にできませんが、決まればダメージと共に相手を転倒させるという非常に強力な効果を持ちます。このゲームにおける転倒とは、転倒が決まった瞬間~次の相手の手番終了時まで抵抗・生死判定以外の行動判定全てに-2のペナルティを与えるという強烈なもので、ダメージを与えながらデバフ役も担えます。
更に、グラップラーLv7で覚える《カウンター》との相性が凄まじく、起き上がって-2のペナルティ状態の敵の攻撃に投げでカウンターを取ることで再度転倒させることが可能で、投げられる相手なら上手くすれば延々とペナルティを与えた状態にできます。
投げ攻撃だけでは火力を伸ばし辛いですが、Lv5で習得可能になる《踏みつけ》があれば、投げて転倒した相手にキック攻撃で追撃できて火力が伸びます。キック攻撃は命中面に難がありますが、転倒して回避にもペナルティを受けた状態の相手に対してならば、ペナ無しの相手へのパンチよりも命中率は高いです。
また、《投げ強化》を取得すると、複数部位の相手でも投げられるようになり、更に投げが成功すれば相手の部位複数にダメージを与えることが可能です。ただし最大の注意として、Lv9で最後の強化となる《投げ強化Ⅱ》を取得しても投げられる相手は三部位までとなり、更にどこかの部位が「攻撃障害:不可」など、近接攻撃不可の状況であれば、三部位以内であっても投げられません。
■■■ グラップラーの短所 ■■■
▼「グラップラー装備可能」「グラップラー専用」の武具しか装備できない
グラップラーはその特殊な戦闘スタイルから、格闘行動を阻害する重い鎧や盾を装備することができません。
このため、前線に立ちながら己の身を守るには、鎧の補正と己の敏捷度を活かしての回避が命綱となります。
グラップラー防具は盾が持てないことを見越してか、同じ重量のもの同士で比較すればファイター・フェンサーよりも優秀な性能が多いですが、それでも非金属鎧であり、マナタイト加工による防護点強化も得られないため、回避力が非常に重要となります。
前線の相方に《かばう》持ちのファイターが居るならばかなり攻撃寄りにしても生き延びれますが、そうでなければ回避性能が十分に確保できなければ起き上がりこぼし状態になってしまうことは避けられません。
能力値で敏捷を伸ばし、《防具習熟》や《回避行動》《頑強》などで耐久力を確保することも重要ですが、あまりそちらに気を取られるとグラップラーの売りである火力が伸び悩むため、成長はPT内で自分が担う役割をよく考えてバランスよく伸ばす必要があります。
▼投擲攻撃ができない
ファイター・フェンサーは前衛技能ながら投擲攻撃もできますが、グラップラーはそれができません。
投擲攻撃が命綱になるような状況はそこまで多くはありませんが、例えば「”攻撃障害”の能力で近接攻撃から守られた敵のコア部位が、魔法使いや射手の攻撃で残りあとちょっとまで減った状況」というところで、ファイター・フェンサーであれば投擲攻撃で残りわずかなHPを削ることが可能ですが、グラップラーではそれが叶いません。
■■■ グラップラーは強い?弱い? ■■■
対単体火力に関しては前衛技能随一のポテンシャルを秘めています。また、投げ攻撃を活用すれば一方的な試合展開にすることも可能でしょう。
一方で、対複数はファイター・フェンサーと比較して飛び抜けたものはなく、強烈な投げ攻撃も四部位以上、もしくは「攻撃障害:不可」の部位を持っている相手に対してはお手上げとなり、対多数への対応力は低いと言えます。防護点も低めの傾向で、《タフネス》を自動取得するファイターほどHPも伸びないため、よほど回避力が振り切れてない限りファイターほどの安心感は無いでしょう。高威力の武器に乏しく、どうしても手数型に偏りがち故、防護点が高いエネミーはダメージを複数回減算されてしまうため、その点も補助が欲しくなります。
しかしそれらの欠点に見合う攻撃性能を持っていることは間違いなく、追加ダメージ(固定値)を上昇させるバフが充実するほどメキメキと強さを発揮するでしょう。命中も確保できればLv7で自動取得する《カウンター》で物理攻撃への対抗ロールも可能になり、意外と生存能力も高くなります。
投げっプラーに関してですが、三部位を超える魔物が投げられないといっても、打撃攻撃もちゃんと使えるので、最初は打撃で戦って部位が減ったら投げに移行する、という流れで戦うことができます。
きちんと目的を定めてビルドすればどのLv帯においても優秀な前衛となれます。
また、魔法の行使判定ペナルティを受けるような装備がそもそも身につけられません。そのため、魔法戦士を作る際は装備面で頭を悩ませることは無いでしょう。
■■■ グラップラーに有用なものたち ■■■
スカウト技能
敏捷が命のグラップラーは、必然的にスカウト技能との相性が良いです。
先制判定の重要性は勿論のこと、Lv7で自動取得する超強力特技の《ファストアクション》との相性も凄まじく、《追加攻撃》と併せて1ラウンド目の爆発力が跳ね上がります。サブ技能に悩んだらとりあえずスカウトを選んで良いでしょう。
ただし、グラップラー自体は知力を伸ばす必要性が薄いため、探索はアイテムやバフで補助しないと基準値が低めになりやすい点には気をつけましょう。
〈アイアンボックス〉 (格闘B/1H/必筋10/威力10/C値⑪/命中+1)
パンチ攻撃を強化する手甲。安価で最初から装備できるBランク武器ながら、バランスが非常に良い鉄板武器。
投げ攻撃が使えなくなるという欠点こそありますが、元からパンチで攻めるスタイルであればその欠点は無いも同然となります。困ったらとりあえずコレ一本。
〈イージーグリップ〉 (格闘A/2H/必筋1/威力10/C値⑫/命中+1)
投げ攻撃を強化する手甲。単純に投げ攻撃の命中をアップしてくれる頼もしいやつ。投げップラーを目指すなら是非付けておきたい。
注意点として、これを装備してもパンチ攻撃は強化されず、素手状態と同じ性能になります。打撃でも戦えるようにしておきたいなら《踏みつけ》も考慮してキック強化武器を装備しておきましょう。
〈リュンクスベスト〉 (非金属鎧S/必筋8)
グラップラー専用のSランク防具。防護点は3と薄いものの、《防具習熟S》を取得している前提であれば実質防護点6は確保できます。
何よりも強烈なのが回避+2補正。鎧だけで回避+2があるのはグラップラーだけで、この補正のお陰で回避+1盾を持つフェンサーと回避力で並べるようになります。
このゲームは回避を上昇させる手段に乏しいため、特技枠に余裕があるなら是非とも目指したい防具。
〈ブラックベルト〉 (装飾/腰/防護点+1)
〈真・ブラックベルト〉 (装飾/腰/防護点+2)
薄くなりがちなグラップラーの防護点を高めてくれる非常にありがたい装飾品。3,000Gと値は張るものの、なるべく早く確保したいアイテム。
真の方は防護点+2と効果量が更に上がりますが、20,000G+80名誉点とコストが重いです。とはいえ1点の差は、多部位の魔物が増える中~高レベル環境ほど大きくなるのでこれも是非とも欲しいアイテム。
《両手利き》 (戦闘特技・常動・Lv1~)
《二刀流》 (戦闘特技・常動・Lv5~)
これを取得したグラップラーは一回の手番で三回攻撃というよくわからないことをやり始めます。あくまでパンチ攻撃限定ですが、追加ダメージをバフで大量に盛ったグラップラーの三回攻撃は凄まじい瞬間火力を発揮します。グラップラーで火力を突き詰めたいならば有力な選択肢です。極めると最終的に1ラウンド目で十回攻撃とかやります。加減しろ莫迦!
なお、格闘武器は元々命中補正に優れているため、あえて《二刀流》を取得せずにその特技枠で別の特技を取得するというスタイルもありますが、能力値やゲームの理解が進んだ上級者向けの手法です。
《投げ強化》 (戦闘特技・常動・Lv3~)
《踏みつけ》 (戦闘特技・常動・Lv5~)
投げップラーを目指すなら必須級。
《投げ強化》はLv9でⅡへ強化され、最大三部位の魔物まで投げられるようになり、更に威力も30まで上昇します。《踏みつけ》はペナルティ入りの相手に高威力のキック攻撃をお見舞いできるため、投げスタイルの場合は是非取得しましょう。
《囮攻撃》 (戦闘特技・宣言・Lv1~)
自動取得の《追加攻撃》で二回攻撃が最初からできるグラップラーでは非常に活かしやすい特技。《囮攻撃》を載せた一発目がミスになっても、回避ペナルティを受けた相手に《追加攻撃》を仕掛けられます。命中すればダメージが増加するので結果的にどちらでもお得。
この特技の最大の特徴は、命中が-2されるものの防御リスクが一切無いため、防護点が薄く命中は武器のお陰で稼ぎやすいグラップラーにうってつけです。Lv9になるとⅡに強化され、ダメージ増加量が+8と大きくなるため、火力手段としても優秀になります。《バトルマスター》取得後も、複数回宣言しても防御リスクが一切ないため非常に扱いやすいです。
《インファイト》 (戦闘特技・宣言・Lv5~)
回避を-2するリスクを負い、更に指定した敵以外に攻撃不可となる制約を受ける代わりに1ラウンドの間命中が+2されるハイリスク・ハイリターンな特技。
回避が命綱のグラップラーにおいて非常に危ない特技ではありますが、Lv7になると話が変わります。
グラップラーLv7では自動取得で《カウンター》を覚え、相手の物理攻撃に対し命中判定で対抗ロールが可能になります。このため、《カウンター》限定ですが、相手の物理攻撃に対する対抗に+2のバフを受けることになるため、インファイトを仕掛けた相手の物理攻撃が単発の場合はむしろメリットの方が大きくなります。
また、ほとんどの宣言特技の効果時間が「1回の近接攻撃」となっている中、この特技は「1ラウンド」なのが特徴。特にLv9でⅡに強化されると「ダメージ+4」の効果も増えますが、これが《追加攻撃》含む全ての攻撃に乗るようになるため、火力が爆発的に伸びます。特に《両手利き》で三回攻撃が可能なグラップラーとは相性抜群。更にLv13以降では《バトルマスター》の効果でもう一つダメージ上昇特技を重ねることだって可能。《カウンター》で投げを狙える投げップラーにも相性が良いです。
極めてリスクの大きい特技ですが、それに見合った強力な性能と言えます。
《飛び蹴り》 (戦闘特技・常動・Lv9~)
10m以上の通常移動をした場合、キック攻撃が一回増えます。手数型を極めたいならばこれも欲しいところ。
しかし、その特性から初手、あるいは敵の前衛を撃破して後衛に移動する時などに効果が限られるため、特技枠を一つ消費するのはやや重いとも言えます。
能力バランスやPTバランス、卓の環境も加味して取得するかどうかを考えましょう。
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