ラクシアの勢力について

 TRPGを遊ぶ上では、舞台の世界について大まかにでも知っておくとよりスムーズに世界に溶け込み、RPをすることができます。

 ですが、土地・国・種族・時代・神など、一口に世界観といってもその内容は多岐に渡り、いざ覚えようとしても中々覚えきれず、それがきっかけで遊ぶのに躊躇する人もいるのではないでしょうか。

 そこで、この頁ではラクシアの勢力を中心に、世界観を極力簡潔に説明します。


 まず、ゲームの舞台となる世界「ラクシア」は、三本の「始まりの剣」と言われる魔剣によって創世されました。

 この「始まりの剣」は一体誰によって作られたか、どうして生まれたかは定かではありません。

 この三剣は意思を持ち、己の担い手となる生命を求めるが故に、ラクシアという世界とそこに住まう生命を生み出していきます。

 そうして三剣の試行錯誤の末に生まれた人類が「始まりの剣」を手にして神となり、神々を主軸として陣営が生まれていきました。


 ラクシアでは魂は輪廻転生を行うものであり、来るべき神々との戦いに備えて魂は輪廻転生によって強く鍛えられ、神々の戦争に召集されると考えられています。

 それが嘘か真かはわかりませんが、例えば死者の蘇生という輪廻に反する行いをした場合、魂に傷のようなもの…”穢れ”が刻み込まれます。

 やがて、この”穢れ”が限界まで魂に染み付くと、その魂の持主は輪廻の輪を逸脱した動く死体、アンデッドに成り果ててしまいます。

 アンデッドは世界の摂理に逆らうあってはならない存在であり、一部の邪悪な魔術師や邪神教徒を除き、人族・蛮族などの区別なくラクシア全ての生命にとって忌むべきモノとして認識されています。


【世界の創造主】

・調和の剣ルミエル(第一の剣)

・解放の剣イグニス(第二の剣)

・叡智の剣カルディア(第三の剣) ※消失

 ラクシアの世界そのものを創り、生命を生み出し、手にしたものを最大級の力を持つ古代神エンシェント・ゴッドへと昇華させる大いなる存在。

 三剣同士には友好・敵対関係などは無く、あくまで司るものが異なるだけである。

 ルミエルは隣人と手を取り合い共に助け合う”調和”を、イグニスは猛る本能や心の”解放”を、カルディアは”叡智”を司る。

 なお、ルミエルとイグニスはそれぞれを手にした神の陣営が確保していたが、カルディアは神々の戦争に使われる事態を拒否し、自ら砕け散ったため既に世界には存在していない。

 更に、実は”運命”を司る第四の剣・フォルトナという剣も存在すると語られている。「運命の剣」「破神の剣」とも呼ばれる。しかしその存在は他の三剣のようにはっきりしていない。


【第一の剣(ルミエル)陣営】

 調和の剣ルミエルによって神の座へと昇った神々と、その神の庇護のもとにある種族、または神々が生み出した眷属によって構成される。

 また、第三の剣カルディアによって生まれた神とも協力関係にあり、それらを含めて第一の剣陣営と呼ばれることが多い。

 PCとなる人族ひとぞくが属する陣営で、この神々は人族にとって善神として信仰されている(ごく一部例外あり)。

 調和と友愛の神である古代神ライフォスが最も信仰され、互いに手を取って協力しあい生きていくこと、力あるものが弱者を守ることが美徳とされる。現実での人間社会における倫理観とほぼ共通していると思えば良い。

 後述する第二の剣陣営とは、例外的な個人間の友情・愛情を除き、神話の時代から敵対しつづけている。

 人族はナイトメアという例外を除いて生来魂に”穢れ”を持たず、また敵対し続けてきた蛮族が魂を”穢れ”させていることにも起因するのか、人族の間では魂の”穢れ”は基本的にタブー視され、故に”穢れ”ることが判っている死者の蘇生も好意的に受け入れられることは少ない。

 無論、”穢れ”の極致であるアンデッドは共通して忌み嫌われる存在である。


【第二の剣(イグニス)陣営】

 解放の剣イグニスによって神の座へと昇った古代神ダルクレムを始めとする神々、そしてダルクレムが生み出した眷属である蛮族ばんぞくによって構成される。

 蛮族は自身たちのことを「バルバロス」と呼称する。

 人族から見た場合は不倶戴天の敵であり、第二の剣陣営の神々の教えは人族社会において犯罪や非道徳的な行いを善しとするものが大半であるため、この陣営の神々は人族からは邪神という扱いになる。

 戦神ダルクレムから始まったこの勢力の基本的な方向性は弱肉強食であり、力ある者が正義であり、弱者は強者によって消費されるのが当然の世界である。

 蛮族の大半は人族を食料や奴隷としか思っておらず、好戦的で残虐。神話の時代から世界の覇権をかけて戦い続けている。

 蛮族はダルクレムが魂を意図的に”穢れ”させたことで生み出した種族であり、度合いは異なれど皆魂が”穢れ”ている。強大な力を持つ蛮族ほど”穢れ”の度合いは大きい。

 しかし”穢れ”の極致であるアンデッドは忌避しており、蛮族の中であってもアンデッドを使役する魔法使い等は忌み嫌われている。故に、蘇生すると確実にアンデッドになることが判っている高位の蛮族は、強大な力を持つと同時に非常に慎重でもある。


【アンデッド】

 ”穢れ”が行き着く先が生ける屍とも言えるアンデッドである。

 基本的に生者を憎み、仲間に加えようと無差別に襲い掛かってくるものが多い。

 既に正常な思考は失われており、たとえ言語が通じようとも会話や意思疎通が成り立つとは限らない。

 アンデッド化してしまえば思考は歪んでしまい、たとえ生前に深く愛し合っていた者が相手であっても生きる命への憎しみを持って襲い掛かり、その血肉を貪って殺してしまうことは珍しいことではない。

 身近な人や仲が良かった人が醜く恐ろしい怪物に変わってしまい、優しさも人としての心も失い生者を殺す存在へ変貌するというのは想像するだけでも恐ろしい。

 この忌むべき存在は人族だけでなく、蛮族からも、幻獣や妖精などラクシア全ての生命から「あってはならないもの」と敵視されている。同様にアンデッドも、彼ら生きている者を無条件に憎んでいる。

 とても珍しいパターンとして、アンデッドとなっても正常な思考を保ったままの者もいる。しかし、だからといって社会に溶け込むことは叶わない。

 生ける屍以外にも、実体を持たない怨霊や、死の遣いデュラハンといった謎めいた存在、はたまた永遠を求めるが故に自らをアンデッドと化した狂気的な古代の魔法使いなども存在する。


【幻獣】

 始まりの剣が人を生み出す前にこの世に生み出した生物の完成形の一つ。

 動物をベースに高い知能、強靭な生命力、自然現象すら操るほどの異能を与えられた者たちである。

 彼らは世界に満ちる魔法の源であるマナを主な活力としており、食事量に対して巨体であることが多く、更に非常に長命である。

 多くは森の奥深くや険しい山などに生息しており、人族と関わることは少ない。

 知能が動物並みの幻獣は腹具合によって人族に襲い掛かることもあるが、知能が高い者は中立的立場を取りながら状況に応じて友好関係にも敵対関係にもなる。

 幻獣の代表格であるドラゴンは人族社会と共存する者もおり、騎獣となって背中に竜騎士を載せ、共に戦う者もいる。また、中には人族が大好きで、姿を偽って人族の町に近づく変わり者も存在する。


【妖精】

 世界に満ちるマナが集まり、形を成した存在。自然の化身。

 人族には友好的な者も多いが、例えば闇属性の妖精には人族だけでなく生物そのものを嫌っているシェイド等もおり、妖精という種が全て友好的とは限らない。

 また、友好的であっても”遊び”の加減を間違えて人族を傷つけたり、殺してしまうケースも存在する。

 正に自然現象の如き気まぐれな存在だが、人族とは比較的友好的関係を結びやすい。

 一方で”穢れ”を非常に嫌っており、”穢れ”を持つ蛮族は生理的に嫌っている。

 なお、人族の中でもナイトメアや蘇生した者など”穢れ”を持つ者は妖精に避けられやすいらしく、フェアリーテイマーになるのに一苦労だとか。(設定の話でありデータ的には問題なく習得可能)


【魔神】

 ラクシアとは異なる、異世界からの来訪者。

 魔”神”と言うが、所謂信仰の対象となる神々とは全く別の存在。

 どちらかといえば悪魔、デーモンと言ったほうがしっくりくる。

 魔神の多くは”狂神”と呼ばれるラーリス(大神)を信仰している。

 ラーリスの教義は「完全なる自由」言い換えれば「無責任」「やり逃げ上等」である。

 楽しそうだからやった。後悔はしていない。反省もしない。責任も取らない。やりたいことをやったので教義として何も悪いことしてない。自由サイコー。じゃあ次も楽しそうなことやろう。

 秩序もへったくれもない完全なサイコ思考を善しとする神を信仰している連中なので当然何をしでかすか全くわからないのが魔神である。

 悩める者・苦しんでいる者が欲する言葉を巧みに使ってすり寄り、心の隙間を埋める、あるいは自身を使役させたり、魔法の力を与える等の実利を以て信用させるケースもある。一見良い協力関係を築いているように見えるが、魔神の親切な言動は全てが己の目的の為に人を利用するためでしかない。

 ただ楽しそうだから、という理由だけで何の脈絡もなくテロを起こしたり国家転覆させたがったり目についた人間を絶望に叩き落として笑ったりする。希望が絶望に転じる瞬間の人族の顔が見たいためだけに、長い年月にわたって親身になって支え、幸福の絶頂時にハシゴを外すことだってやってのけるだろう。魔神には倫理も情も何一つ存在しない。文字通りの悪魔である。

 当然ながら人族からすれば相容れるはずもない存在だが、かつて栄えた古代魔法文明時代には魔神を使役する魔法が研究され、その技術の一部は現代にも伝わっている。もちろん一般的には忌避される存在で、その内容も犯罪行為が少なくない。

 ただし、アルフレイム大陸においては身近な魔神を討伐するために、あえて魔神の力を利用する召異魔法を用いるデーモン・ハンターも存在する。

 蛮族との反応は割とその時に応じて変化する。一緒に暴れて世を乱して楽しめるなら協力するだろうし、飽きたら裏切って蛮族が破滅していく様を見ながら笑うのだろう。

 魔神とはそういう存在である。

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