葉桜の君であり、紫陽花の君。しっとりとした雰囲気の謎めいた物語です。

かつて貪るように身体を求め、溺れるようにつきあった女性、紫陽。
だが、「わたしがいたらあなたは教師になれないから」と主人公・葉太を捨てて去っていった人。

そんな彼女の口癖は、「捨てるなんて、もったいない」だった――。

時は流れ、念願の教師になった葉太は、ある年、忘れえぬ人、紫陽にそっくりな女生徒・桜子を受け持つことになる。

桜子と紫陽の関係は……。
桜子は本当に紫陽の娘なのだろうか……。

読み進めるたびに、紫陽さんの印象が変わっていき、ぐいぐいと物語に引き込まれます。
しっとりと謎めいた物語をどうぞお楽しみください。

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