同じプロットから生まれたとは思えないほど強いメッセージ性を持った作品💥

 かなり過激な表現も含む本作。
 特に中盤の秋田葉太氏の考え方は、ある種の狂気を孕んでいるようにすら見えます。
 全編を貫く大きな主張があって、その力強いパワーには圧倒されてしまいそう。

 本作は、あらかじめ定められたプロットに従って、如何に面白い作品を生み出せるかという企画の参加作品です。
 そこに作者のぎざ様が、あるテーマを投入して、それが重くて深刻だったりします。
 ただ、そのメッセージ性の強さは企画内でも屈指のモノ。
 ここまで強い主張ができるというのは、作者様のパワーを感じます。

 少し荒削りな部分があって、手直しした方がいい部分も散見されます。
 とはいえ、ここまで強いメッセージを放てる作家は珍しく、小説を書くスキルを身につけ、設定を充分に練って作品作りを行うようになれば、強烈な個性を持った作家に成長するかもしれません。
 この作品に籠められた強いメッセージは一読の価値が充分にあると考えます。

 ところで本作、セルフレイティングなしだけれど良いの?
 私なら残酷描写・暴力描写有りにしますけれど。