かなり過激な表現も含む本作。
特に中盤の秋田葉太氏の考え方は、ある種の狂気を孕んでいるようにすら見えます。
全編を貫く大きな主張があって、その力強いパワーには圧倒されてしまいそう。
本作は、あらかじめ定められたプロットに従って、如何に面白い作品を生み出せるかという企画の参加作品です。
そこに作者のぎざ様が、あるテーマを投入して、それが重くて深刻だったりします。
ただ、そのメッセージ性の強さは企画内でも屈指のモノ。
ここまで強い主張ができるというのは、作者様のパワーを感じます。
少し荒削りな部分があって、手直しした方がいい部分も散見されます。
とはいえ、ここまで強いメッセージを放てる作家は珍しく、小説を書くスキルを身につけ、設定を充分に練って作品作りを行うようになれば、強烈な個性を持った作家に成長するかもしれません。
この作品に籠められた強いメッセージは一読の価値が充分にあると考えます。
ところで本作、セルフレイティングなしだけれど良いの?
私なら残酷描写・暴力描写有りにしますけれど。