これぞ王道の教師もの!

 だと断言できます。
 特に好きなのは主人公の設定と性格がプロットとばっちり噛み合っていて痒い所に手が届く展開。こいつ大丈夫か?と思わせつつ実は有能と言うギャップで全部持っていかれます。

 能力の設定も専門用語ながら全く複雑ではなく、程良いスパイスになっていました。専門用語って扱いが難しいのでこれは巧い。戦闘描写もアクションだけでなくドラマありきでストレスなく読める。

 生徒達は序盤に一気に出てきて一瞬覚えられるか不安になりますが、全員キャラが立っているのですぐに愛着が湧きます(個人的にはキュウゴが推し)。
 ストーリーが進むごとにそれぞれの葛藤も見えて来るのがこの作品の醍醐味の一つです。
 あと会話の掛け合いがテンポ良くおもしろいし、ちょくちょく尊い(重要)。


 そしてそんな生徒達を助けつつ自らの過去とも向き合って行く、超ネガティブな先生。でも最初は仲が悪く途中から……と言うのも定石で楽しい。
 キャラクター文芸として完成されています。

 文字数も文庫本一冊くらいのボリュームですので、まだ読んでいない方はティータイムのお供に是非お薦めします。