第6話、嗚呼、異世界モノよ・・・!

 以下、異世界モノ『 あるある 』です。


『 憂いを秘めた美少年 』

 メイン・キャラクターか、サブ・キャラクターに、よく登場する。

 涼し気な目に、サラッとしたストレートな髪。 ヤセ気味体形が多い。

 クールで、無表情。 性格的には、女性嫌いの設定が多い。

 呼称は「 俺 」。

 作者が女性の場合、ほぼ、作者の趣味。

 作者が男性の場合、自分が希望する体形の願望。


『 剣 』

 主人公の持つ武器。

 重要なアイテムのはずなのに、物語によっては、ナゼか、最初から持っていたり

 する。

 日本刀のような反りは無く、西洋風の諸刃タイプの剣が多い。

 かなり重量があるはずだが、ストーリー上では、女性でも軽々と振り回す。

 今の時代、中学・高校など、体育の授業での剣道経験すら無い人が多いので、

 自刃裂傷は、非常に高い確率と推察もされるが、見事に、相手や魔物だけが切ら

 れる。


『 ポイント 』

 異世界での戦闘中、ゲーム画面のように視界にウインドウが現れ、ポイントが上

 がって行く。

 誰が管理しているのか、誰が付与しているのか、全く分からない。 それどころか

 収支も完全に不明で、どんな経緯で、誰に利益があるのかなど、子細については

 想像する事すら出来ない。


 このようなポイントシステムは、誰かが、薄利多売的に利益を得る為に構築され

 たものと考えるのが普通である。 あるいは、直接的では無いにしろ、間接的、

 もしくは広告目的( サービス付与 )として設定されるものだが、物語の設定に、

 そういった整合性を持たせなくてはならない義務が存在する事など、完璧に無視

 している場合が常である。

 そもそも、そういった設定が必要不可欠である、と言う考えにすら、元々、最初

 から到達していない。


 上がるポイントにより、新たな武器・戦闘アイテム( 戦闘モード等 )が賞与され

 たりするが、新たな武器・アイテムも、全く説明も無いのに、平然と効果的に使

 用される。


『 天然娘 』

 異世界の住人キャラに多い。

 危機にあると言うのに、「 ○○ですぅ~! 」とか、「 えへへっ・・! 」など

 と、茶目っ気たっぷりに喋る。

 ほとんどの場合、ルックスは、カワイイ系。

 作者が、男性の場合に多い登場となるが、基本的に、作者の嗜好。


『 言語 』

 無条件で、言葉が通じる。

 異世界の住人は、現代日本文化に則したイントネーション・価値観を共有する。

 「 ですよね~ 」などと、現代風言葉も違和感なく登場。

 「 ハンパねえ 」・「 ざけんな 」にあるような、ヤンキー言葉も得意。

 基本的に、若年層が使う言葉遣いが主流。

 つまりは、そういう言葉しか発言出来ないレベルであると言う事。

 読んでいて、吐き気すら覚える。


『 魔物・モンスター 』

 間違いなく、デカイ。

 10m以上の巨大なものもあるが、たいていは、ヒトよりデカイ程度。

 凶暴性あり。 とにかく、ヒトに襲い掛かる。

 異世界の動物なのに、ナゼか、ゴリラ似。 体毛は長く、黒っぽい。

 当たり前のように手足があり、目は、2つがほとんど。

 喋らない。 吠えるか、鳴く。

 指先は、鋭利な爪がある場合が多い。


『 タイトルが長い 』

 テーマが無い証拠ですね。

 どうでもいい、と思っているから、テキトー。

 『 ○○、部活辞めるってよ 』に代表されるように、近年の流行りなのでしょう。

 少々前の、『 限りなく透明に近いブルー 』のように、プロの間でも、純文学・

 ファンタジー・SF等のカテゴリを問わず、その感覚は浸透。

 

 ちなみに、本編の『 異世界モノ、ちょっと斬ってみた件について 』は、20文字

 くらいにしてみようと、挑戦してみた結果である。 執筆歴の中で、過去最長記録

 を樹立。


『 空中浮揚 』

 異世界なのに、ナゼか、当たり前のように重力が存在するが、これまたナゼか、

 『 飛ぶ 』。 『 浮く 』ような表現のようになる時もあるが、とにかく、物理的な

 解釈に苦しむ。

 どうしてそうなったのか、どうしてそんな事が出来るのか、全く不明。

 テーマを設定する必要が無い、とする思想から推察するに、異世界だから何でも

 出来る、と言う教義からか? との結論に達する。

 つまりは、『 何でもあり 』の極致である。


『 人体再生 』

 戦闘中、体を叩き切られても、『 生えて 』来る。

 ポイントの上昇によって可能、と言う場合もあるが、ここまでやると、生命の神

 秘さが脅かされる。

 異世界の魔物やモンスターなら、そんな設定もあり、とは思うが、生身の人間に

 当てはめるのはどうかと思う。 まさに、ゲーム感覚である。


『 少年 』

 先記した『 美少年 』に通じるものがあるが、主人公は、とにかく若い。

 オッさんの方が、リアリティー&ペーソスがあって、面白いと思うのだ

 が・・・?

 『 美 』と言う設定も、ナゼか多い。

 あと、年齢に似つかない『 冷静 』さが、物語における存在感の希薄性に拍車を

 掛け、どうにも信憑性に欠ける。 作者が若年層の為と推察されるが、キャパの

 無さに比例し、若年主人公ありきの物語には、ストーリー的にも軽薄さが漂う。

 いっそ、主人公は『 お母さん 』にするか、転移して異世界へ行ったら、自分がモ

 ンスターになっていて、『 狩られる 』立場の方が面白いと思う。


『 ハーレム 』

 作者が男性の場合、よく登場する設定。

 100%、作者の願望であり、何が言いたいのか皆目、見当も付かない。

 また、女性を軽視している観点から、明らかなる低俗・低レベル。

 願望からは、物語り上、何の感動も生まれないと言う事を認知すべきだろう。


『 ダンジョン 』

 元々は、欧米にある城などの地下に造られた、地下牢を指す。

 これが、とあるRPGゲームに登場し、感化された愛好者たちによって物語に取り

 入れられ、瞬く間に模倣されて現在に至る。

 拡大解釈により、抜け出せない場所・・ いわゆる『 迷路 』であるとか、魔物が

 巣食う世界、洞窟、罠が満載の回廊など、その種の広がりは、歯止めが効かな

 い状況である。


 要は、2次的な事であり、創作の域・崇高さ、オリジナリティー要素などは、

 微塵も無い。 『 流行り 』そのものを追うと、創作の新鮮さは失われる事を周知

 すべきかと。


 不安な場所から抜け出す事に興味を持つのは、動物の本能とも言えるが、訴える

 べき『 テーマ性 』は、そこには無い。 まさに、『 無知 』の極みである。


『 ********** 』

 ストーリー上の場面転換を、記号や模様の羅列で表す。

 2行ほどの改行で、充分に済むはずなのに、文章構成・表現が稚拙な為、このよ

 うな手段に出る。

 「 上手く、場面展開の表現が出来ませ~ん 」と、『 自爆 』している事に気付い

 ていない。


『 空白改行 』

 意味不明な空白改行が、あまりに多過ぎ。

 文字で埋められた面積部分を、通称『 文章の顔 』と呼ぶが、古い純文学作品

 などは、まさに乱数表の如く、真っ黒である。 読み手を疲れさせる事になる訳

 だが、小説制作の歴史的観点から見れば、それは当たり前の事である。

 資源・物資の無い時代・・ 限られたスペースの中に、出来る限りの文字を詰め

 込もうとする意図は、誰しも至極簡単に行き付く考えではないか。


 しかし、近代・・ 新たな文学形態と言える『 ライトノベル 』の文章の顔は、

 一変した。 『 ケータイ小説 』から波及している歴史的経緯も加味し、過剰な

 までの空白改行が行われている。

 この状況を鑑みるに・・ 読み易さを追求すると言う理由には、納得がいくが、

 あまりに多過ぎる。

 ハッキリ言って、幼稚な表現に他ならない。本来は、文章で表現 するところに

 意義があるはずである。


 セリフの前後は1行空ける、などと言う『 法則 』は無い。

 空白改行は、あくまで見易さ( 読み易さ )に重点を置くべきであり、その使用

 頻度は、常識の範囲での『 センス 』として思慮すべきである。

 

『 最強 』

 最強の魔導士。

 異世界で、最強になった。

 実は、最強だった。etc…


 ・・・何ですかね、この『 最強 』と言う設定文句。

 最強と言うからには、それ以上は無い。 もう、終結しちゃっているのである。

 これって、その後の展開そのものに無理があると、どうして気付かない

 のだろうか・・・? 安易な発想、陳腐な設定に他ならない。

 低俗・低レベルの極致である。


『 美少女 』

 先に記述させて頂いた『 少年 』・『 美少年 』に続くワードである。

 とにもかくにも、ナンで『 美 』少女なの・・・?

 男性の作者に多い設定である事が、そもそもの証明となるが、要は趣味・嗜好。

 もしくは、やはり、願望であるところだろう。


 「 学校一の美女に告られて・・ 」とか「 凄惨な戦場に立っていた美女が・・ 」

 等、やたら登場するが、安易な発想の極致で、美女が登場する設定には、何の

 思慮も成されていない。

 

 そもそも、学校一の美女から告白されて、読んでいる読者の方々は嬉しいか?

 楽しいのは、書いている作者のみである事に、早々に気付くべきである。

 まあ… 例え、世紀末が到来したとしても、おそらく気が付くまい・・・

 かくして、模倣作品は永遠にして増殖を繰り消して行くのだ。

 

 『 美しい 』・『 可愛い 』・『 カッコ良い 』・『 綺麗 』・・・

 これらは全て、目に見える事である。

 目で見える、と言う簡単な事に、惑わされてはいけない。 大切な事は、全て、目

 には見えないのだ。

 『 正直さ 』・『 優しさ 』・『 勇気 』・『 いたわり 』・・・

 心情に訴える語句は、必ず、目に見えないと言う事実に気付いて欲しい。 だから

 こそ、表現が難しいのだ。

 誰でも簡単に表現出来るモノ・思考に浮かれて、何の得とする。


『 属系 』

 水に属する水属、樹木に属する木属、等、物事に関与するチカラを発揮する『 人

 種 』の、種類の総称。

 ファンタジー宜しく、『 風の精 』・『 岩の精 』で良いのに、いちいち科学的に

 設定する。 この辺り、ファンタジーとSFの違いを、ハッキリと認知していないと

 ころからの発想か。 『 格付け 』をしないとカッコ悪い、と思い込んでいるが故の

 行動だろう。

 基本、ファイナル・ファンタジーの影響・・ もしくは、ゲーム経験者の単純なる

 思考。


 自分の世界観を、かくも細かく、しかも公共的に認知されているかのように設定

 するのは、オタクの行動以外、何物でも無い。

 別に、オタクが悪いとは言わないが、読者を勝手に、己の世界感に引きずり込む

 のはヤメて欲しい。 作者の世界に入り込む、入らない、の選択は、読者側にある

 と言う事実に気付くべきだ。


『 姉妹 』

 登場人物の肉親に、ナゼか『 妹 』、憧れの女性に、ナゼか『 姉 』が多い。

 どうせなら『 姉 』より、『 姐 』、もしくは『 姐さん 』的感覚の女性の方が、世

 相感があって面白いと思うのだが・・・?


 『 妹 』に関しては、性的感覚の設定が見え隠れする。

 異世界モノ創作者には、ロリコンが多いのか? 情けない・・・

 そもそも、性的感覚表現には、老若男女、全ての人たちに興味があるキーワード

 だろう。 人間・・ いや、動物の本能でもある。

 その辺りを、意図的に狙ったのであれば秀逸だが・・ おそらく、残念ながらそう

 ではないと推察される。 手頃な設定であり、作者本人の興味に、『 願望 』が加味

 されただけの結果だろう。


 読者も、安易な設定に乗せられ、『 勝手に希望する展開 』に期待しつつ、文学的

 とは程遠い『 満足感 』に浸っているに過ぎない。

 ある意味、サブリミナル的なキーワードだ。 上手く使えば、良い意味での読者洗

 脳が出来るが、ほとんどの場合、先記の通りである。

 当然、必須なるテーマの存在などは、皆無だ。


『 暗い 』

 何だろう・・ とにかく、舞台が暗い。

 部屋・街・景色etc… 設定的にも、薄暗かったり、夜だったり・・・

 暗い描写が無くとも、文体からは、排他的・絶望的・陰湿的な暗さが、物語全体

 に付きまとっており、そう言った創作物が、余りに多過ぎる。

 創作者の趣味からか? 描写から感じられる暗さには、時として、悲劇的な物事

 に対する、憧れのような感覚をすら感じ取る事もある。

 

 服装も、黒い物が多いようだが、ちなみに色彩学から言えば、黒・白は『 色 』

 ではない。 光があって、初めて認識出来る色彩が『 色 』である。 従って、モノ

 クロを求める事自体、『 光 』を必然的に否定しているとも言えるだろう。

 

 光に例えられるモノ・・・

 夢・希望と言った未来的思考を、無意識に認めていない心理・設定による創作だ

 から、物語の全体が、暗くて当たり前なのかもしれない・・・

 

 黒い服を着用しなくとも、他の色彩で、シンプルかつ精鍛、上品・可憐さ・クー

 ルさは、充分に表現出来る。 黒の服装をまとう事など、誰にでも簡単に出来る事

 だ。 暗さや、黒を、『 カッコイイ 』と思う事自体、幼稚な事なのである。


 ぬうう・・ 列挙していて、キリが無い・・・!

 書いていて、情けなくなって来ましたので、ここいらでエンド。

 最後に、推奨出来ると思われる、問題の無いキーワードを1つ。


『 中世 』

 物語りの舞台。

 中世ヨーロッパの景色・文化・歴史等を設定に取り入れた創作をよく見かける

 が、これは、世界的に認知されているファンタジー作品に登場するキャラクター

 や、服装・建築物が、中世ヨーロッパ時代に所以する為である。

 『 城 』や『 騎士 』等、時代を象徴する物も多く、現世界との違いを見い出させ

 るに、最適な設定とも言える。

 ファンタジーコンテンツの流れを汲む異世界モノ創作物において、唯一、正統性

 あるキーワードと成り得る、秀逸な設定である。


 次回、いよいよ、禁断の章へ・・・

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