均衡。
- ★★ Very Good!!
この世とこの世ならざる世界とは
うすい紙を挟んだだけのところで
均衡を保っている。
のではないかと、おもう。
霊感とかないもので。
本作ではその薄紙のあちらとこちらを
自由に行き来しており、
読者のわれわれは、作者のミスリードに
まんまと引っかからないように気をつけていたはずなのに、まんまと引っかかってしまい、まんまと引っかかったことにより快感を得る。
作者さんは書き終えたあとで
あああ、
あの箇所を、いじりたい!
と、思ったことがあるかもしれない。
いじくると均衡は崩れてしまう。
かもしれない。
でも、いじりたい!
でも…
ことほどさように、
均衡のあやうさ、というものは
繊細なテクニックを要します。
これこそが醍醐味ですよね!