鬱。

いやな予感しかしない作品ってある。
本作はその期待を裏切らない正しいミステリーである。

的確で安定感のある文体なので、安心して主人公の昏い人生を覗き込むことができる。

どんどん追い詰められていく主人公と、彼をとりまく状況、情景の描写が
淡々としているのに、
精緻でおそろしい。