第6話 あとがき


 ルドルフ公国~ヴラドミル王国第七公爵日本移譲地~をご愛読いただき、誠にありがとうございます


 きくらげは物語を書くとき、設定やテーマからではなく、情景から入ります。チェスをする二人・ギクシャクする会話・一方の要求に苦悩する様子など。"吸血鬼"や"上限制度"などは、後から加えられていきました。


 吸血鬼というのは、ありふれた題材です。ポップにもダークにも書くことができます。ですが、"等身大の吸血鬼"がいたら、どんな社会になるだろうと考えて物語を構成しました。


 第二話の"上限制度"から、"数"というのが重要なキーワードになっています。吸血鬼側は"国民の人生を含めた数"を主張するのに対し、公国庁側は"血液を要する人の数"を盾に抵抗する様が描かれています。


 "吸血鬼が人間を支配する"とか、"人間が吸血鬼を管理する"などの、どちらかが支配権を持つ訳でもない。交渉と腹の探りあいで問題にあたる姿が、何とも泥臭いストーリー構成になっています。


 派手な展開や斬新な切り口もない地味な話になってしまいましたが、とても人間らしく、嘘っぽくないものに仕上がったと思います。


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ルドルフ公国~ヴラドミル王国第七公爵日本移譲地~ きくらげ @ki_kurage

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