妖怪の仕業にも思える謎との対決

大学で妖怪の研究を志す男子大学生が、高校生や記者の仲間と共に、日常に潜む奇怪な謎を解くミステリの短編集です。次々と繰り出される妖怪になぞらえた謎がバリエーション豊富かつおしゃれで読者の食指をそそります。また一話一話が比較的短いため、するすると読めてしまいました。中にはあまり一般的とは言えない知識が謎解きに必要になるものもあり、読者との対決という意味ではあまりフェアとは言い難い点もありましたが、どのお話の推理も納得のいくものでした。
また登場するキャラクターがそれぞれ生き生きしており、彼らの動きやセリフにしっかりと感情がこもっていたのも素晴らしいと思いました。