概要
――人類は進化した。木星の衛星エウロパの片隅に少女が一人。
遥かな未来。生存圏を太陽系の様々な惑星や衛星に広げた人類。その一つ、木星の衛星エウロパに一人の少女が住んでいた。彼女は市民センターにやってきては語る。僕らの未来は夢に溢れ、華やいだフロンティアにある。
――光速を超えられない人類の、ほんの片隅での物語。
☆KAC20204 4日目「拡散する種」参加作品
――光速を超えられない人類の、ほんの片隅での物語。
☆KAC20204 4日目「拡散する種」参加作品
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!4000足らずの宇宙
拙いですがレビューをさせてください。
3,999字でこんなに奥行きのある話を書けるんだ、というところにとても驚きました。一節一節で降り積もっていくような時間の移ろいと一人の女性の人生の行先が、物語の世界を空間的に確かにしていく。SFというスケールの大きなジャンルをこんなにコンパクトに、無理なく描いているのが素晴らしいと思います。
お題は「拡散する種」ですが、それをSFに持っていくところが素敵。
ひとつの自我が遠くで根付く、そういう途方もない「拡散する種」の奇跡と、それが発するいっそ無責任な肯定の空虚さが愛しいような、どうしようもないような、切ない気持ちにさせてくれました。
おすすめです。