食人文化を味わう

初めの数ページを読めば、この作品が一般的な小説と一味違うことに気付くと思います。
食人種の国を訪れた人間(異食種)の青年の視点で描かれており、小説というよりエッセイを読んでいる感覚になります。
この作品の中で食人種は、残虐でも、冷酷でも、狂気的でもない種族として危うげなく存在しており、その解像度の高さが凄まじいリアリティを生み出しています。
面白さに興味深さも加わり魅力的な作品でした。

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