民衆は王者か

従来のプロ制度は終焉を迎えつつあるのではないか。

たとえば、ネット小説家が賞を経ずにいきなりプロです! と産声を上げるわけだが、その根拠となるのはいわゆる素人票である。本来、プロであるはずの編集者が後追いで箔づけするのは本末転倒という他ない。

何年か前に歌のオーディション番組を観ていたら、審査員の一人がこれは大衆に支持される歌だから売れるみたいなことを言っていて、興醒めしたのを覚えている。

政治に限らず、民衆の欲はあらゆるものを飲み込んでいくように思える。

そのエネルギーを力に変えられる者が勝者ということになるが、果たして正解か。歴史は勝者が作るというから正しいのだろう、今のところ。それに抗う真のプロの活躍に期待したい。