第2話 とある少女の話3

「へっくしょんっ──!」


 うにゃあ、鼻がムズムズする。

 少女は近くにあったティッシュを取ると鼻をかむ。

 あらまあ、風邪をひいたのだろうか。

 外には出てないんだけれどなあ、と少女は呟くと、またひとつくしゃみをする。

 うむ、本格的に風邪だ。

 咳は出ていないのでそれは良かった。

 問題は鼻だ。

 これは鼻風邪なのだろう。昔からそうだったのを今思い出した少女は、薬がなかったかと探しに行く。いやいや、どのくらい前のものなのかはわからないけれど、少なくとも百年前のものなのはわかる。それは飲んではいけない。

 少女はそう答えを出すと、やはり街へ行くべきだろうかと考える。

 でもでも、寒いし。

 そればかりはどうしようもないのだけれど。

 風邪を治すのと寒さから逃げるのとどちらがいいのか。

 まあ、どちらも嫌なのだけれどね。

 よし、と少女は決意した。

 ──明日、街へ行きましょう!

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