第6話 少女と反響板

 少女は冷えきってガチガチな足を無理矢理動かして歩く。

 辺りは木だらけの白い敷物が敷かれた森。家ひとつ、人ひとり、動物いっぴきも見えない。さっきのキツネは──忘れよう。あれれえ? キツネなんていたかなぁ?

 鼻歌を歌いながら歩く少女──って、何か異様に響くんですけど! 反響板でもあるかのように鼻歌が響き渡る。

 試しに大声を出してみよう。

 少女は

 ウッホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 と叫んだ。

 その声で少女は自爆した。鼓膜が破れたかもしれないほどの声量。まるで跳ね返ってきたようだった。というか、跳ね返ってるよね、これ!? 少女は投げやりにそう叫ぶ。その声もやはり跳ね返ってきた。

 これ、反響板あるよね?

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