第5話 少女とへいへいへーい
十メートル地点到達。
さて、あれからどのくらい経ったかと言うと、三十分である。
三十分で十メートルしか進んでいないのだ。
いやマジで何してんの。
正解は──
飴玉を舐めまくっていました。
いや、進めよ!
とは言っても、寒さで足が動かなくなっている少女は一歩進むのに一苦労。しかも、着ている服と言えば、下がホットパンツに黒のタイツときたものだから余計だ。
と、少女は何かを見つけた。
それは、キツネだった。
キツネは少女を見ていた。
じーっと、じーっと
少女もキツネを見ていた。
じーっと、じーっと
そして、
「へいへいへーい」
キツネが鳴いた。
キツネが「へいへいへーい」と鳴いたのだ。
少女が「へいへいへーい」ではない。
おっと、理解不能なことが起きたのでフリーズしてしまっていたようだ。
少女の意識が戻ってきたときには、もうそこにはキツネはいなかった。
少女は思った。
──「へいへいへーい」って叫べば、キツネくるかな。
そんなわけがない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます