戦国蹴球サスケ

第５５話 紫乃武と有紗とナルドの油売り

　有紗が紫乃武に問い掛ける。

「イエズス様は十字架に本当に架けられたのですか？」

　安土城下の飛鳥井紫乃武の屋敷。

「イエズス会のフランチェスコ•シャピエル様は、長靴をアギアールに与えたと言う……」

　長靴のアギアールと呼ばれる日本人……。

　靴を与えると言う事は正と邪と二つの意味がある。

　自分の身代わり……。

　法皇の犬とされたイエズス会。

　犬の嗅覚は人間の一万倍。

「イエズスにナルドの油を塗ったマグダラのマリア……。イエズスの足がマグダラの寝所に向かった証拠」

「イエズス様本横穴に葬られた証拠をマグダラのマリア様はは確認した訳ですね」　

　有紗は紫乃武に顔を向ける。

「イエズスの弟のトマス様が身代わりになっていない証拠だ……」

　戦国蹴球……。

　織田信長公が考案した戦国蹴球、蹴鞠は、自分の装束を蹴鞠として、影武者を作らず、自分の匂いを負け戦の戦場から追っ手の目から逃れる為だったのか？

　追手の鼻からか……？

　織田信長公と朝倉義景が戦った姉川の戦いで殿（しんがり）、殿軍を務めた木下藤吉郎秀吉……。

　熱田神宮のあられ祭りとは、後ろ向きに走ると言う踏歌（とうか）と言う……。

第５５話　了