遠い主人をひたすらに待つ、機械のお話。元はただのルーチンから始まったものだとしても、与えられた命令を全うし続けているだけなのだとしても、時を経て、其処に佇み続けようとする健気さの存在を、否定することはできない。瞑目しよう、豊かな実りの夢に眠る蜘蛛のために。
出だしから始まる情景に、思わず引き込まれるが、次第に、世界に引き込まれる。時の流れにを感じさせる物語は、ある種「老い」の悲哀と、限りない優しさを感じさせる。とても良い物語でした。
とてもいい使用人ですね。でも最後は……。最初使用人と見て人間の方かなと思って読んでおりましたが、最後まで読んでそうではないと知った時は驚きました。最後はご主人様たちの為に活躍出来たのでは……と思いました。
主人への想いを綴る心優しき蜘蛛の物語。温かくも切ないお話でした。
主人の帰りを待っている使用人の話です。読み進めていくうちにこの使用人は人ではないのではないかと自然と考えさせられてしまいます。しかし、予想した姿とは全く違うことに読み終えたあと理解させられました。語り手の切替や切ない余韻は好みが分かれると思いますが宝箱にしまわれた綺麗な物語だと思います。
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